国土交通省は2015年度、道路の利用者が立ち寄る休憩施設「道の駅」のうち、観
光振興や地域福祉などの拠点として優れている数十カ所を選び、さらに機能が充実する
よう重点的に支援する方針を決めた。15年度予算概算要求に関連経費を計上する。地
域に活力をもたらす先駆的な道の駅は、政府が掲げる地方創生の拠点になるとの考えか
ら、他省庁の補助制度などを集中的に適用する方向だ。
道の駅は市町村長の申請を受け、国交省が登録する仕組み。24時間使える駐車場や
トイレ、情報提供施設、地域振興施設を備えていることが要件で、1993年の登録開
始以降1030駅が登録している。個性ある駅が増える中、地域の雇用を生み経済効果
をもたらす駅をバックアップすることで他地域への波及効果を狙う。
同省が選定する優良駅は、観光客や都市からの移住希望者など地域の外から活力を呼
び込む「ゲートウエー型」▽地方特産品のブランド化など産業振興や、診療所や役場機
能などを備えて地域福祉や防災に貢献する「地域センター型」―の2タイプに分類。特
に地域センター型は、同省が人口減少社会に向けた国土形成で提唱する、さまざまな住
民サービスを集約して過疎地を支える「小さな拠点」をイメージしている。
優良駅にはタイプに応じて、各省庁の補助制度を優先的に適用。過疎地の給油所の設
置やコミュニティーバスの乗り継ぎ拠点づくりに対する財政支援や、農産品の6次産業
化に対する交付金などの活用を想定している。
同省は既存駅のほか、2タイプの優良な「道の駅」を目指して、駅を新設する計画も
この事業とは別に、国交省は既存駅の全体的な底上げも検討。道の駅制度の開始から
20年が経過し、駅の基礎機能が課題となっている現状を踏まえ、老朽化したトイレを
多機能型に更新したり、無料公衆無線LANを整備したりする意向だ。
(了)(2014年8月26日/官庁速報・電子版)
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