国土交通省は2015年度から、全国の「道の駅」で学生の就労体験を積極的に受け
入れる施策を始める。将来の地域活性化の担い手を育成するほか、若者の視点を道の駅
の運営に生かすなどのメリットを期待している。同省は希望する大学を広く募ってお
り、15年度は10大学程度と提携して学生を受け入れたい意向だ。
道の駅での学生受け入れは、大学が授業の一環で就労体験を行うケースを想定。財政
支援などは想定していないが、全駅の設置者で構成する「全国道の駅連絡会」(会長・
本田敏秋岩手県遠野市長)が中心となり、交流を希望する大学と駅との間のマッチング
を行う。
具体的には、大学のカリキュラムに沿って学生を地方の道の駅に2週間以上送り込
み、▽観光資源の調査や地域活性化プログラムの企画▽地場産品を活用した弁当などの
商品開発▽ホームページやSNSなどを駆使した道の駅の情報発信―などに取り組んで
もらう。観光や地域づくりなどを学ぶ学生を想定しているが、活動内容によっては家政
学部など幅広い学部の学生も考えられるという。
国交省によると首都圏にキャンパスのある2大学が興味を示しているが、多くの大学
は次年度のカリキュラム編成を年明けから本格化させるため、道路局は観光学部などの
ある大学に対し、「個別に営業活動を行っていきたい」としている。
道の駅は全国に1040カ所。これまでも道の駅と地元の大学が連携した学生受け入
れはあったが、数例しかなく、国交省は全国レベルでの本格活用が必要と判断。9月末
に全道の駅を対象に調査したところ、約300の駅が受け入れに興味を示したという。
(了)
(2014年12月2日/官庁速報)
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