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日本食の健康効果を研究=輸出促進、自給率向上へ 農林水産省

農林水産省は、日本食が健康面や運動機能に与える効果、効能の研究に乗り出す。大
豆製品や海藻類など日本食独自の食材の栄養素を調べ、調理法や食べ方を分析すること
で、健康面への好影響を科学的に実証する。研究結果は国内外に発信し、日本食の輸出
拡大や自給率の向上につなげる。
農水省は日本食について、主食のコメとみそ汁を基本献立にした和食だけでなく、肉
類・乳製品など洋食を適度に含んだメニューを想定。和食が国連教育科学文化機関(ユ
ネスコ)の世界無形文化遺産に登録されるなど、日本食への関心は国内外で高まってい
る。
しかし、米政府の報告書で、「日本食は冠動脈心疾患のリスク低減に関係があるとさ
れているが、(オリーブオイルや豆類を多用する)地中海食に比べ科学的根拠が充実し
ていない」と指摘された。和食より先に無形文化遺産に登録された地中海食は、定義付
けや虚血性心疾患のリスク低減に関する研究などが進んでおり、日本食についても研究
を進める必要があると判断した。
研究は、大学や独立行政法人などに委託して2016年度まで実施。地中海食の評価
法を参考にし、調査対象者が理想的な日本食の食生活を送っているかどうかを点数化し
た上で、点数の高い人と低い人の健康状態を比較する。病気にかかるリスクのほか、ス
トレス耐性や記憶力、運動能力などを測定する方針。日本食でも、和食の傾向が強く残
る1960年代の食事と、肉類が増えてきた80年代では内容が異なるため、各年代の
代表的な日本食を再現して調べる予定。
60~80年代は、和食に洋食が適度に加わり、子どもの体格が向上するなど好影響
が出た。一方、2000年以降は、魚介類や大豆の消費量が減少し、女性の低カロリー
志向や高齢者の低タンパク症の増加など、栄養バランスの乱れが指摘されている。調査
を契機に、食生活を見直してもらいたい考えだ。(了)
(2014年5月15日/官庁速報)

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